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地雷小説「キモノノケモノ」

地雷小説第二段!!

今日のお題は「着物」!

タイトル「キモノノケモノ」





「君は誰だ?」

「いやお前こそ誰だよ」


状況を整理しよう。
俺こと袴田雪駄(はかまだ せった)は高校の夏休みで、父方の祖母の家に一人で来ている。
祖母の家は小さいながらも江戸時代から続く老舗の呉服問屋だそうで、今でも店の中には数多くの浴衣や襦袢、花嫁が着る着物なんかも並べられてある。
小さい頃は店の手伝いなんかと称して祖母にべったりしていたらしいが、中学受験や高校の勉強なんかもあって、今度の帰郷は久々だった。
しかしいくら久々だからといって、いつの間に祖母は新しい家族を増やしたのだ?
時間は夜中の丑三つ時。
ふと気配を感じた俺の枕もとにはおかっぱ姿の女の子が立っていた。

「ふむ。確かに名前を聞くのだからコチラから名乗らないと失礼にあたるのかな?」

見た目は俺よりも小さいくせに、いやに大人びた口調で喋ってくる。
最近の子供ってこんなもんなのか?ていうか誰だよ。

「名は単衣(ひとえ)。この家の主からはそう呼ばれている」

そう言うと単衣と名乗ったその女の子は俺の前にずいと一歩近づいてきた。
ビクっとなさけなく体を起き上がらせた俺の前に白い顔が寄ってきた。
夜中だから良く見えないが、肌は白くて奇麗だ。
それに目は少し細めだけど、長い眉毛と合っていて具合がいい。
あと5年経てばすんごい事になるぞと思っていると、女の子がこちらを睨むようにジーっと見てきた。

「え...なに?」

「私は君に名乗ったのだ。だったら君も名乗るのが礼儀なのではないか?」

叱られた...こんな夜中、しかも子供に...まあ確かにそうか。

「あ~えっと...雪駄(せった)ね?袴田雪駄。一応この家のばあちゃんの孫なわけなんだけど~君は...」

「単衣だ!名乗ったのだから名前で呼びたまえ!」

大きい声で怒られた...まだ頭が重たかっただが今の声ですっかり目が覚めた。
おかげで今の状況が異常なことにやっと気づいた。
俺が祖母に会ったとき、新しい家族が増えたことも、ましてや子供を預かったって話も聞いてない。
それに目の前の単衣という女の子、赤い着物を着ているが今の時代こんな夜中に着物着る奴なんてどこにもいない。

「んじゃ単衣ちゃん?君どこの子?お母さんは?ていうか・・・人間?」

俺は自分でも不思議なくらい疑問だったことを口にした。
普通なら最後の質問はありえない。
でも深夜に着物を着て枕元に立っているなんて、どう考えてもおかしい。
単衣という少女は天井に少し顔を上げて考える素振りを見せている。
返答を待っている間、俺は彼女を見ているうちにあることに気づいた。
外には月も出ていないらしく部屋の中も真っ暗だ。
なのにこの女の子の周りは着物の色も分かるほど明るい。
俺がある程度答えを予想した時、単衣が顔をスッと下げて俺を見た。
そして予想通りの答えが返ってきた。

「君の言うように私は人間ではない。私は『キモノケ』だ」

少し違った。





「キモノ...ケ?え?お化けじゃなくて・・・」

「『キモノケ』だ。「着物に宿った魂」というのだろうか。それが私のことだ」


「もののけ」とどう違うのだろうか?
そう思っていると単衣は畳の方にストンと正座をし、「まだ分かってない様だな」と言って俺に説明し始めた。


彼女曰く「キモノケ」とは俺達が来ている服が長い年月を経て魂を持ったものらしい。
今はこの店の裏に建てられている蔵にしまわれているそうだが、何年か前にキモノケになったそうだ。
単衣の説明を俺は口を半開きにして黙って聞いていた。
説明が終わると、単衣は何か言いたそうにしている俺をジトっと見てきた。


「?なんだい?何か言いたそうだね?」

「えっと、要は単衣は昔に作られた着物だと?」

「ふむ。そうだ」

「そんで長い間売れ残って・・・」

瞬間、俺の左側から衝撃が走った。
いつの間にか目の前に座っていた単衣が片膝を立てながらこめかみ付近をピクピクと動かしているのが分かった。
どうやらこいつにはたかれたようだが、お化けなのに人を殴れるの?

「君、いつの時代も相手が気にしていることを言うのは礼儀に反するのではないかね?」


この子とは会って十数分しか経ってないけど滅茶苦茶怒っているのは分かる。
ここは素直に謝るべきなのだろう。

「えっと・・・・すみません」

「以後気をつけたまえ」

俺が布団に倒れた体を起こした時、単衣は既に先程座っていた畳に戻っていた。
未だに痛みが残る頬に手を当てていると、単衣が不思議そうに尋ねてきた。

「しかし君は不思議な奴だ。私は人間じゃないのだぞ?もう少し驚かれると思っていたのだが」

「いやいや...夜中に枕元に着物着た少女がいるんだ。逆にそっちの方が納得するよ。普通に人間だったらそっちの方が怖い」

俺は正直に思ったことを口にした。
お化けは確かに怖い。
それは誰でもそうだろ?
しかし俺は17年の人生の中で考えていた。

例えば今の状況。
この単衣という女の子が幽霊...お化け?いや「キモノケ」だった。
だったらそれでいいではないか、むしろ「そうか」と思えるさ。
もしこれが知らない家の女の子だったりしてごらんなさい。
どっちがリアルに怖いと思う?

「そういうものか?フフフやはり君は変わっている。この家の主も君と同じだったよ」

「?ばあちゃんもお前の事知っているのか?」

「うむ。君の時と同じように説明した後にお茶を出されて髪まで梳かされた。なんとも優しい女性だ」

それからしばらく俺と単衣はなんともない話をしていたが、しばらくする内に俺の方が段々眠くなってしまった。
俺は単衣に向かって「じゃあ今日はこれぐらいに...お休み」と言って布団に入った。

「って待ちたまえよ君。普通この状況で眠ろうとするかい?それに私は眠くないんだぞ?」

「俺は眠いんだよ。そりゃ単衣はお化けなんだから眠くないだろうよ」

「お化けじゃない。『キモノケ』だ」

「キモノケでも足の毛でもいいから・・・って痛い痛い痛いッ!!鎖骨を指でグリグリするな!!地味に痛い!!」

「まったく君は・・・」

その後、俺が目を瞑っている間に単衣が小声で言ってきたが、結局次に目を開いた時には朝になっていた。
夜の事は夢だったのか?そう思うところだが記憶はすっかり頭にセーブされていた。






翌朝、俺は祖母に頼んで店の裏にある蔵に連れて行ってもらった。
祖母は俺の様子を見るなり「単衣に会ったのかい?」と笑いながら聞いてきた。
何でも祖母の前に現れたのは俺が来なくなってからすぐらしく、やはり枕元に立っていたらしい。

「それからもちょいちょい出てくるんだ。お前もずっと来なかったし、わたしにゃもう一人孫が出来たみたいで嬉しかったよ」

祖母は重そうな蔵の扉を開けた。
木で作られた天井や床は薄暗く、天井に一つだけある窓から光が入ってくるだけであった。
広い部屋の中には色も大きさも違う様々な着物が衣桁に掛けられており、蔵の中なのに店の前よりも豪華に映る。
なんでも今日は虫干しをするからだそうだ。


「もちろんあの子もちゃあんと干すよ」

祖母は俺を蔵の奥へと連れていくと、奥の中央にかけられた一着の着物を指差した。
それは赤い、12,3歳の子供が着るくらいの大きさの単衣で、昨夜俺の前に現れた単衣が着ていたものと全く同じであった。

「それはもう長いことこの店にあってなぁ。ばあちゃんのそのまたばあちゃんの代から店に置かれていたんだよ。だからなのかね、化けるのも納得だよ」

確かにそれくらい経てば化けて出てくるか...
一人勝手に納得した俺を尻目に祖母はあっという間に入口にまで戻り、「虫干しするから着物出して来てくれ」と言ってさっさと蔵を出て行ってしまった。
え?これ俺が全部出すの?50着くらいありそうなんだけど・・・


「久々に外に出るんだ。君、私を大切に扱ってくれよ?」


蔵の何処からともかく、単衣の声が響いた。



それからというもの、単衣は度々俺の目の前に姿を現した。
「キモノケ」は別に夜中しか出てこれないというわけでもなく、俺が店番している時にも普通に出てきやがった。
普通お化けって夜しか出れないんじゃないかと単衣に聞いたが、

「そんなの誰が決めたのだ?」

と逆に聞き返され、そのまま祖母と買い物に行ってしまった。
まあ、確かに夜限定なんて決まってないな。
最近は貞○も伽○子も24時間フル出場だしな。
そんな感じで俺と祖母と単衣の3人?での生活は続いていった。
いつの間にか寝る前に単衣と話すのが日課になっていたが、高校の夏休みも終わりに近づき、遂に家に帰る時が来てしまった。
その夜、単衣に明日の朝帰ることを伝えた。

「そうか...君、帰ってしまうのか」

そう切り返してきた単衣の声はどことなく沈んでいた。

「まあ元々夏休みを使って帰って来たワケだからな...学校も始まるし帰らないと」

「君がいた生活は楽しかったのだが...とても残念だよ」

そう落ち込まれると俺が悪人のように感じてくる。
単衣の頭を撫でると、出来る限り優しい口調で言った。

「ほら、そんな泣きそうな顔すんなよ。また来年来るからよ...「キモノケ」なんだかしっかりしろよ」

「キモノケだろうがなんだろうが心はあるんだ。悲しい時は悲しいに決まってるだろ!!」

単衣はそう言うと俺に背を向け、部屋を出るとタタタと音を立てて消えてしまった。
俺はしばらくして布団に横になったが、やはり単衣の事が気になってしょうがなかった。

結局俺はこの日一睡もすることなく、家に帰ることとなった。
祖母の家を出る時、祖母は俺の肩を叩いて「また遊びにきな。あの子も待ってるから」
と言ったが、とうとう単衣は俺の前には出てこなかった。





田舎から戻って一ヵ月後、既に始まった学校の中間試験の勉強に頭を悩ませている時、一階にいた母から大きな声で呼ばれた。

「雪駄~?宅配便よぉ~。おばあちゃんから~」

煮詰まった頭に届いた声に、俺はシャーペンを机に置くとドタドタと階段を響かせながら一階に降りて行った。
下では既にハンコを押し終わった母が細長い箱を持って玄関に立っていた。

「おばあちゃんから雪駄にだって。なんだろう?漬物?」

「なんで漬物?別に特産品でも何でもないじゃん?」

俺は母にツッコミを入れてから段ボールを受け取ると、自分の部屋に戻ってそれを床に下ろした。
箱の重さは別段重くはないが軽くもない。
俺は何も考えずに箱の貼ってあるガムテープを剥して箱を開けると、そこには一通の手紙と白い紙に包まれた何かが入っていた。
紙の上に置かれた手紙を手に取り広げる。そこには筆で器用に書かれた祖母の字でこう書かれていた。

「可愛い孫には旅をさせてみました。夏には一緒に帰っておいで」

俺は慌てて中に入っていたものを出す。
これは確か「たとう紙」。『着物を保存するため』に使われるものだ。
部屋の中の時計がカチカチと音を出して秒針を進めている。
その音に混じるかのように、後ろから声が聞こえた。

「そういうわけだ。君、よろしくな」

後ろを振り向くと赤い着物を着た少女が目の前にいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 何となく続けそうな感じに出来たね。

 ウサギとしては「もののけもの」のパクリみたいになったのがちょっと気になるかな!?
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はじめに!

黒いウサギ

Author:黒いウサギ
黒いウサギですこんにちは♪

職業:
一応大学院で頑張ってます

好きな物:
ノンアルコール飲料が
美味しく感じ始める

パスタ系全般
甘い物は別腹タイプ

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①グラディエーター
②フォレスト・ガンプ
③アメリ
④ミックマック
⑤パラノーマル・アクティビティ

好きな本BEST5
①ジョジョの奇妙な冒険
②ゼロの使い魔
③容疑者Xの献身
④ひつじのうた
⑤銀魂

2012年、24になるウサギですが、
いい年にしたいですホント。
いろいろ込みあう大学院生活ですが、
楽しみつつ頑張っていきます!

PS:
質問、お悩み、ご相談の方は
ドンドンメッセにご連絡下さいな

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