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魔法少女の悩みはパートナー(後編)


「クロトッ!」

 胡桃はクロトが消えていった工場の上の階へと声を出した。
 メリーと戦っている時は気付かなかったが、何かが壊れる音やぶつかる音が工場の天井から中に響き渡っていた。そして胡桃の声に反応するかのように、その音はひと際大きく鳴った。

「ちょっと!大丈夫なの!?」

 不安になった胡桃は身を屈めると、伸ばす脚で地面を蹴って跳び上がった。クロトの能力を「加えられた」胡桃の体は、トランポリンにでも乗ったかのように5,6メートルの高さまで浮かび上がると、胡桃は鉄柵を越え、せり出した床へと着地した。
 辺りを見渡す。下の方は機械やパイプなんかがあり、作業場の様に思えたが、どうやら上は制御室のようなものらしいと胡桃は思った。周りにはレバーやボタンのついた機械が、既にいない操縦者を待っているかのように茶色く錆びたまま設置されていた。近くなった天井には、今にも崩れそうなパイプが蜘蛛の巣のようにアチコチに伸びていた。
 その時、爆発でもしたかのような衝突音が胡桃の近くに轟いた。胡桃は音のした方へ体を向けた。

「クロ……」

 クロトとパートナーの名を言う前に、胡桃の横を巨大な黒い塊が横切った。その黒い肌と長い耳、クロトであった。
 クロトは鈍い音を鳴らして鉄柵にぶつかり、勢いが落ちた体はそこで止まるが、その衝撃は錆びた鉄柵を壊して下の階へと落下させていった。

「くっ……!」

「クロトッ!」

 胡桃はクロトへと駆け寄る。相当ダメージを負ったのだろう。逞しい体を備えたウサギの体はあちこちから血が流れ出ている。体が黒いので分かりづらいが、他にもケガをしているはずだ。

「ちょっとどうしたのよ!?目茶目茶やられてるじゃないの!?」

「す、すまない胡桃……」

 クロトは申し訳なさそうに胡桃に謝った。
胡桃は背中にざわっと冷たいモノを感じた。クロトと会って一カ月しか経っていないが、彼の強さは十分に理解しているつもりだ。
そのクロトがここまで追い詰められるとは。胡桃の頭に、あのスーツと帽子を着けた小さい羊が思い浮かんだ。

(クロトでも敵わない相手だっていうの……!!?)

 胡桃はクロトが跳んできた方へ眼をやった。すると遠くの方、天井からぶら下がるパイプの上に、あの羊がいた。
 クロトと戦った跡だろう。遠目ではあるが、帽子は脱げ、スーツもボロボロになっているのが見える。スーツを着込んだ羊の姿は何とも奇妙に思えていたが、ボロボロに崩れたスーツを着ている今の状態を見ると、「不気味」に思える。
 
「胡桃……君に頼みがある……」

 前方に意識が集中した胡桃に呟くような小声で囁いたクロトに気づき、胡桃は再びクロトへと顔を向ける。クロトは倒れた体を起き上がらせ、片膝をついた格好になっている。だがクロトの体は、所々から血を流す姿で、改めて見ても痛々しかった。焦りと不安が胡桃の胸をドクドクと鳴らした。それを消すかのように、胡桃の口からは声が漏れてた。

「ちょ、しっかりしなさいよクロトッ!アンタがあんな羊にやられるワケ……ん?」

そこで胡桃は、クロトの脇に、何か白いモノが抱きかかえられているのに気付いた。

「こいつを……ハクトを連れてこの場を離れてくれ」

「ちょ、なに言ってんの!勝手にそんなこと決めな「ぐすっ、クロトぉ……」!!?」

 胡桃は声がしたクロトの脇へと目を移す。そして固まる。というより石化する。不安と焦りもこの時ばかりはフリーズした。
 体長は20センチ、ふわふわとした白い毛に覆われ、垂れきった耳には黒い斑点が入ってる。くるんとした小さい目は潤み、涙が出そうになっている。
 理想! 正しく胡桃の考えていた魔法少女におけるパートナーがそこにいた。

「な、なんてことなの……」

 こんな状況にも関わらず、胡桃の体は震えた。そしてクロトが発した言葉で、胡桃は別方向からさらに衝撃を喰らう。

「ハクト、彼女は私の「契約者」である胡桃だ。彼女と一緒にココを脱出するんだ」

「ぐすっいやだよぉ!『お兄ちゃん』も一緒に」

「いやお前ら兄弟かよッ!!」

 しかもクロトの方が「弟」かよッ! 
 思わず叫びそうになった時、あの羊の声が遮った。

「お喋りはよろしいですかな?」



※※※※※※※※※※※※※※※※



「……メリーはやられたようですね」

「男爵……!」

 クロトは目の前に立つ背の低い羊、ウールを睨んだ。
 先程まで遠くのパイプに立っていたウールは、いつの間にか胡桃たちと5メートル程の近さまで接近していた。
 胡桃の背中にいやな汗が流れた。
 仲間(らしい)であるハクトはクロトが見つけた。メリーは胡桃が倒した。目的を達成し、クロトはダメージを負っているが、敵は1に対してこちらは2。こちらが有利な状態である筈。なのに胡桃には逆にこの小さな羊に追い詰められている気がして堪らなかった。
少しの沈黙の後、薄い毛が広がる口から、メェ~と小さく鳴き声が響く。

「さすがあなたが契約したお嬢さんだ。時間稼ぎになればと思ってましたが、まさかこんなにも早くメリーを倒すとは。いやはやお見事。想像以上です。私共の目的であるその白ウサギもそちらの手の中ですし……」

「あ、それはどうも……」

 胡桃はウールの言葉に相槌を打つ。一応、褒められているらしいが全く嬉しくない。淡々と喋るウールの言葉には全く感情がなく、形式的に喋っているかのようである。胸の真ん中でちぎれかけたネクタイがユラユラと振り子運動をしている。ウールは胸元に手を置き、揺れていたネクタイをひと思いに引きちぎると、足元に捨てて黒いビー玉のような目を細めた。

「さて、クロト氏。あなたはお分かりでしょうがこの状況、私が追い込まれているのでしょうか?」

「……」

 ウールが尋ねた言葉に、クロトは答えずに黙ったままであった。緊迫した空気の中で、胡桃はウールから目を離す事が出来なかったが、おそらく横に倒れるウサギの顔は、喜ばしいモノではないのは分かる。胡桃の考えが正解であるかのように、ウールの顔はにんまりと口角を上げた。

「いや違う。逆です。私が貴女方を追い詰めているワケですね。貴女が私を倒せなかった時点で、この戦いはチェックしているのですよ」

 嬉しそうに、声高に宣告したウールの声が工場に響く。反響していく声は壁に反射する度に不快さを増大させていくように思えた。そんな不快さをさらに増やすのが使命かのように、ウールは得意げに喋り続けた。

「貴女方ウサギ族の能力は、自分が持つ能力を契約者に『加える』事」

ウールがこちらへと近づいて来る。それもわざとらしくゆっくりと。

「すなわちそれは、この場にいる貴女方の最大戦力は、そちらで言う「契約者」であるお嬢さんということです。つまりそれ以上の、私を倒せるような方はいらっしゃらないということですな」

 胡桃はウールに気付かれないよう足に力を込め、いつでも飛び出せるように、僅かに体を沈ませた。しかしウールはそれも分かっているかのようにギョロリと胡桃の方に顔を向け、優しい口調で胡桃に忠告した。

「ああ、お嬢さん。止めた方がいいですよ。いくらクロト氏と同等の力を得たからと言いましても、元は只の人間の女性。戦力など、毛が生えたくらいしか変わりませんよ」

 ウールの忠告を聞き、胡桃は顔を歪めた。
確かに、クロトの力を貰った私は、理屈的に言えばクロトよりも「+自分」の力は上回っている筈。だが、クロトやこいつのような怪物に「+自分」の力なんか、無いに等しいのだ。しかもこれまでクロトに教わってきたのはダメージを受け流したりや、攻撃の避け方など「防御」を中心とした技術ばかり。

『戦いの時、最も大事なのは敵を倒す事じゃない。自分を守る事だ』

 そんな事をクロトは言っていた。おかげでメリーとの戦いの時も、それほどの怪我もせずに勝てたのだが。

「うるさいわね!そんなのやってみなきゃ分かんないでしょ!」

「やめるんだ胡桃!」

 胡桃はウールに言い返す。相手の言葉が憎らしいくらい正解だが、何か言わないと気が済まなかった。横からクロトが止めようと声を出したが、ウールはメェ~と鳴くと、

「チューター(家庭教師)の忠告は聞くべきですよお嬢さん。力を得ただけのたかが戦闘経験一カ月程度のノーヴィス(新米)……」

 ウールは少し考えて、はっと鼻で笑うように息を吐いた。

「私にはなんの障害にもなりませんな」
 
 その言葉が胡桃の頭を爆発させた。

 地面を蹴り、一瞬でウールとの間合いを潰す。背後でとクロトの声が何か言っているのが聞こえてきたがもう後戻りは出来ない。
そもそもする予定もない。
胡桃は握りしめた拳をウールに向かって突き立てた。

「オラァッ!!」

「ほっ!!?」

 胡桃の攻撃はかわされるが体勢をぐらつかせたウール。
イケる! と胡桃は突き、蹴りと連続攻撃を仕掛ける。だが、

「ほう……さすがクロト氏の力を貰っただけはあるようですね。しかし……」

 一見押しているように見えて、胡桃の攻撃は全てウールにいなされる。それに胡桃が気付くが、

「フンッ!」

 ウールが声を上げたと同時、ウールの蹄が胡桃の腹に衝撃を伝える。
 ボスっというくぐもった音が体の中から聞こえ、胡桃はクロトのいる後方へと吹き飛んだ。

「カハッ!」

「単純な軌道の攻撃は実に捕らえ易い」

「胡桃!」

 吹き飛んだ胡桃であるが、その後にぶつかったのは鉄柵でも石壁でもなかった。クロトが飛んできた胡桃の体を受け止めたのだ。胡桃は顔を上に向ける。胡桃の受けた衝撃がクロトへと伝わったのか、口元を噛みしめ、苦い表情をしている。

「無茶をするな!君が向かっていても勝てる相手ではないのだぞ!」

「だからってあんな事言われて黙っているワケにもいかないでしょ!!」

 クロトに大声で言い返したが、たった一撃で相当なダメージであった。攻撃を受けた胸の奥からジワジワと痛みが込み上げてきて、呼吸するのもツラくなってきた。喉に何か引っかかるような感覚を覚え、胡桃はケホッと咳をした。
 すると口の中に血の味が充満してくる。血の塊が外に飛び出て来た。

「ちょっとどこの格闘マンガよ!?リアル吐血しちゃったじゃない!私まだ14なのよ!?」

「君が受けたのはそれほどの攻撃だったのだ。男爵の蹄を喰らった時、吹き飛んだから良かった。いくら私の力を持っているからと普通なら死んでるぞ?普段の特訓が身を結んだな」

「うっさい!魔法少女が吐血するなんてどんだけリアルファイトなのよ!」

「まだまだ元気な様ですが、そろそろ終わりましょうか」

 クロトと言い争っている中、ウールは遮るように言葉を挟んで来ると、さっきと同じようにゆっくりとこちらへ近づいて来た。「レディと会話している所に邪魔はしませんよ」とか言ってた癖に邪魔してくんなと胡桃は言いたくなったが、胸が痛くて言葉出てこない。

「どうです?そこの白ウサギを私に渡して下されば、あなたとお嬢さんの命は助けてあげますよ?」

 ウールはクロトの足元に隠れていたハクトを見て提案してきたが、クロトは胡桃を自分の横に降ろすと、表情を変えずに答えた。

「笑えない冗談はよせ男爵。答えに関わらず、全員仕留めるつもりだろうが」

「おやおや、ばれてますか」

 ウールは一人でホホホホと笑い出した。確かにこちら側にとって全く笑えない。
 胡桃も戦おうと構えるが、クロトはぼそりと胡桃に言った。

「胡桃、さっき言った通りだ。私が男爵を引きとめる。君は兄者を連れてココを離れて……」

「だが断る」

 私は即答した。かの某マンガ家でも、これほど早く断ったりはしないだろう。

「ふざけてる場合か胡桃!君も男爵の強さは分かっただろう!?このままでは君も兄者もやられるぞ!」

 声の大きさは変えずに強く言ってくるクロトであるが、胡桃は目を開き、構えたままでクロトに言った。

「そうね、確かにこのままじゃやられるわ。クロト、確かに貴女の言う事は正しいわ。正直、あの羊の攻撃、たった一発貰っただけなのに怖くて堪らないモノ」

 クロトはチラリと胡桃の足元を見た。
 錯覚ではなく、ガクガクと小刻みに震えているのが見えた。

「ならば……!」

「だからってさ、」

 胡桃は足を震わせながらも、強い意志を目に宿して答えた。

「逃げれるわけないじゃない!パートナーを見捨てる魔法少女なんて何処にもいやしないわ!逃げるなら一緒に逃げる!戦うのなら、」

 一度、大きく息を吸い込んだ。

「一緒に戦うわよ!!そして勝つ!!」

 既にクロトと胡桃の会話はウールにも聞こえていたが、ウールは今度は邪魔せずに聞いている。そのウールを睨みつけながら、胡桃の目には闘士が宿り始めていた。

「ノーヴィスだと思ってましたが……立派なレディ、いや、戦士のようですねお嬢さん。いやはや、良い方と契約しましたねクロト氏」

 その言葉には力が込められていた。形式的でも、事務的でもない、本音の言葉であった。
 それに呼応するかのように、ウールは戦闘態勢を敷くかのように蹄を後ろに構えた。
 臨戦態勢を取るクロト。だがその顔には、一種の覚悟が浮かんでいるようである。

「胡桃。君がそう言ってくれたのは純粋に嬉しい。だが、二人だからといって勝てるかどうか……」

「私はあるわ。あの羊に勝つ方法」

 胡桃の一言に、思わずクロトの顔がこちらを向く。

「一種の賭けだけどね……それに乗ってくれるかしらクロト?」

 少しの沈黙の後、胡桃は続ける。

「ほんの少しの間でいい。時間を稼いで」

 頷く必要もなかった。その言葉をきっかけに、クロトはウールへと向かっていった。
 


※※※※※※※※※※※※※※※※


  
 ウールへ突撃するクロトはぴょんと跳ねると、体を捻りウールに蹴りを放った。横からの攻撃を両手で受け止めるウール。そこからクロトは追撃を加える。

「ハアアアアアッ!!!!」

「愚者の如く向かってきますか!いいでしょう!来なさい!」

 クロトとウールはその場で目にも止まらない攻防を繰り広げる。クロトの繰り出す攻撃をウールがいなし、反撃へと転じる。時々両者の攻撃が相手に辺る事もあるがそれすらも利用し戦いを展開させていく。
 だが、それは僅かな間であった。ウールの高速の攻撃に、徐々に押しこまれるクロト。そして、

「フンっ!!」

「!!!!」
 
 ウールの放った蹄の一撃がクロトの肩を抉る。それにバランスを崩したクロトの足にさらに追撃が入る。クロトの体は完全に床へと倒された。

「しまった!」

「少し残念でもありますよ。貴女をここで始末しなければならない事が」

 ウールはクロトの心臓に照準を定めるように、矢を発射する弓のように蹄を引き絞った。次の一撃、仮にクロトが動いても防ぎようのない威力の攻撃となるだろう。

「さよならです。勇敢なウサギよ」

「ちょっと待った~~~!!」

 ウールがその言葉を発したと同時、引き絞った蹄がクロトの心臓へと振り下ろされた。しかしその時、横から襲ってきた蹴りにウールの体はクロトから引き離された。
 
「くっ!」

 すぐに体勢を戻し、蹴りが放たれた方向に顔を向けたウール。そこには指をこちらに向け指している胡桃の姿があった。
 
「コラァッ!!人のパートナー勝手に殺そうとするな!」

「おやおや、だったら貴女も頑張らないといけませんよ?あれだけの事を言ったのです。チューター任せではコチラとしても寂しい限りですからね」

 ウールはスッと立ちあがると、ボロボロになったスーツに手を掛けると力を込めて破る。完全に脱ぎ去ったウールの上半身は、小さいながらもクロトのように鍛え込まれた体をしていた。ソレを見た胡桃の表情がやや歪んだ。

「さて、氏に時間を取ってもらったのですから、勝ち目を作って来たのでしょうね?」

「ふふん、そんなに見たいかしら?じゃあ……見せてあげるわ!!」

 そう言って胡桃は手を勢いよく上にかざした。その姿は胡桃が変身する時のポーズと似たようなものであった。だがその手に握られているのはクロトか渡されたお守りではない。白い宝石のような石だ。足元で倒れているクロトがその石を見た途端、胡桃に叫んだ。

「胡桃!?それは、止めろ!」

 胡桃はクロトが止めるのを無視し、次にくる詠唱を紡いだ。
 今の力で勝てないのなら、「さらに足せば」いいのだ!

「我、括りしは霜月の白雪!」

 胡桃が叫ぶと、白い石は大きな輝きを放ち、胡桃を包んでいく。そして光は胡桃の体へと流れ込んでいった。

「まさか……」

 ウールがぼそりと呟いた後、石から放たれた光が胡桃の体へ全て流れた。胡桃が手にしていた石は既に消えている。だが胡桃の姿には明らかな変化があった。

「なるほどね……さすが兄弟だけあって、力の種類は同じようね」

 何かを確信したかのように呟いた胡桃の手には白く光るグローブが装着されていた。黒い袴からも白い光がぼんやりと光っている。額にはかつて孫悟空が巻いていたような輪が輝きを放っていた。
 ウールは間合いをジリっと下げる。常に読めない表情をしているウールであったが、その顔からは今までの余裕はなくなっていた。

「まさか『多重契約』を成功させてしまうとは・・・やれやれ、クロト氏は「恐ろしい」方と契約した・・・」

「パワーアップは魔法少女にとって大事なことよ・・・・まさか卑怯とは言わないわよね?」

「まさか。レディに対して、そんなことは言いませんよ」

「そう、じゃあ・・・」

 ウールに許可を得るかのように聞いた胡桃はゆらりと体を揺らすと、

「遠慮なく」

 力の限りウールへと蹴りを突き刺した。

「ぐうっ!!」

 突然の攻撃にウールの口から声が漏れる。しかしその間にも胡桃の拳は襲いかかる。

「くっ!」

 ウールはかろうじてガードしたが、その衝撃はウールが耐えられるものではなかった。
 拳を受けた腕を貫くように胡桃から繰り出された力がウールの体を地面にたたきつける。
 地面に倒れた体に、胡桃の蹴りが追撃される。すぐに起き上がってかろうじてかわすが、そこに再度、ガード不能の拳が突き刺さる。

(バカな!!これほどの力、いくら「多重契約」を成功させたからといってここまでとは!私が、防ぎきれない!!)

 胡桃のパワーやスピードは、今までよりも数倍に上がっていた。繰り返される胡桃の連撃に、ウールの体は引きちぎられるかのように宙に浮くと、

「でやあァッ!!!」

 とどめとばかりに撃ち込まれた回し蹴りを受け、ウールはそのまま下の方へ吹き飛ばされ、そのまま工場の地面に隕石の如く落されたのだ。

「胡桃・・・・『多重契約』なんて・・・無茶な真似を・・・・・」

 呻くように呟いたクロトに、胡桃はクロトを抱き起こすと、紅い目をまっすぐ見据えた。

「無茶なくらいが丁度いいのよ。魔法少女自体がそうなんだから」



 
                             次で終わり
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はじめに!

黒いウサギ

Author:黒いウサギ
黒いウサギですこんにちは♪

職業:
一応大学院で頑張ってます

好きな物:
ノンアルコール飲料が
美味しく感じ始める

パスタ系全般
甘い物は別腹タイプ

好きな映画BEST5
①グラディエーター
②フォレスト・ガンプ
③アメリ
④ミックマック
⑤パラノーマル・アクティビティ

好きな本BEST5
①ジョジョの奇妙な冒険
②ゼロの使い魔
③容疑者Xの献身
④ひつじのうた
⑤銀魂

2012年、24になるウサギですが、
いい年にしたいですホント。
いろいろ込みあう大学院生活ですが、
楽しみつつ頑張っていきます!

PS:
質問、お悩み、ご相談の方は
ドンドンメッセにご連絡下さいな

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